ファイル共有を目的とした「Winny(ウィニー)」や「Share(シェア)」という名称のソフトを介して、ウイルスに感染やパソコンに保存された情報漏洩の被害が多発しています。
ファイル共有ソフトそのものは、ウイルスや悪意ではありませんが、この使用に伴って動作するウイルスが被害の元凶となっています。問題は、被害者が気づきにくいという点で、大切な情報が漏れていることを自分以外の第三者から知らされるケースがほとんどです。
ファイル共有ソフトをインストールした利用者間のネットワークで発生したウイルスで代表的なものは、通称「山田ウイルス」や「仁義なきキンタマ」と呼ばれ、情報を外部に流出すことが可能です。
これらのウイルスは、ファイルダウンロードの際に表示されるアイコンを通常OSで使われているアイコン(フォルダやメモ帳など)を偽造しています。
実際にはプログラムなのですが、ファイル名称にスペースを多く入れたり、多数の言葉でファイル名称を長くし、プログラムであることを表す拡張子 (.exe)を一見して見えないようにしているものがほとんどで、利用者が容易に判断できないよう、意図的に拡張子を隠すような表示の仕方です。
またWindowsの初期設定では拡張子を表示させないようになっていることが多いので、その場合はファイル名全体を表示させてもそれがプログラムであるとは判別できません。
上の画像が、クリックさせるために、フォルダを偽っているウイルスファイルの例です。
一覧や詳細では拡張子がわかりません。アイコン表示にしてウインドウを広げると、拡張子がわかります。
一見すると映画やアニメが無料で入手できるように装い、それをダウンロードして実行するとウィルスに感染し、パソコン内の画像やテキストなど、ハードディスクのあらゆる情報がネットに公開されてしまいます。
公開されたデータの回収は事実上不可能です。
ウイルスへの感染や情報漏洩を防ぐには
・ファイル共有ソフトを使用しない(これが一番確実なことは言うまでもありません)、
または重要なファイルが入っているパソコンでは使用しない。
・フォルダオプションの表示にて「登録されてる拡張子は表示しない」のチェックをはずし、拡張子を表示させる。
・共有ソフトなどからダウンロードしたファイルは、不用意にダブルクリックしない。
・個人的なソフトをインストールしているパソコンは社内ネットワーク接続しない。
・内部情報などが入っているパソコンは社外持ち出ししない。
・KingsoftInternetSecurityをインストールし、パターンファイルを常に最新の状態にする。
詳しくはIPA 独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンター
「Winnyによる情報漏えいを防止するために」をご覧ください。
※2007年8月の記事を再掲載したものです